宝石の処理について
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宝石の処理には色々とあります。目的は全て宝石をより美しくすることにあります。
現在流通している宝石の殆ど(95%以上)が何らかの処理が施されていると言っても過言ではりません。初めて聞く方は驚くかもしれませんが、ルビーやサファイア、アメシストやガーネット、アクアマリン、パライバトルマリンに至るまで、そのほとんどの石は加熱処理されていて、色をより良くする処理は、随分前から行われてきたことです。また、エメラルドなどにはオイル処理が施されています。
宝石に対して施される人工処理については「エンハンスメント」と「トリートメント」の2種類ありその2種類について、ご紹介いたします。
◆エンハンスメント
宝石が元々持っている潜在的な美しさを人工的に引き出す人工処理方法を言います。
天然の宝石が本来持っている性質に沿って、それを損なわない範囲で人工的に処理し、さらに美しさを引き出す方法で「改良」を意味します。
改良された天然の宝石は、性質を何ら変えるものではありませんので、天然石と同様に扱われます。
■加熱処理
宝石を加熱することで、その宝石が本来備えている色を引き立たせる人工処理方法を言います。必ず良い色になるとは限らず、本来持っている美しさを引き出す一般的な処理です。代表的な加熱処理石はルビー、サファイア、タンザナイト、アクアマリン、トルマリン、トパーズ、アンバー、シトリン等です。特にサファイア・ルビー・タンザナイトに関しては流通する殆どの石は加熱処理されたものです。非加熱のサファイアやルビーやタンザナイトは、加熱が施されている石より格段に貴重で高価です。
■漂白処理
宝石表面のしみや汚れを取り除く人口処理方法を言います。代表的な漂白処理石はパール(真珠)です。
■含浸処理(無色)
無色透明のオイルを宝石に染み込ませる処理です。内部の亀裂に染み込ませ、亀裂を目立たなくすることで色を良くする処理。主にルビーや、流通する殆どのエメラルドに施されている一般的な処理です。商品状態のものはすでに固まっているので通常の使用では問題ありませんが、超音波洗浄機などで洗浄すると、溶け出す可能性があるので注意が必要です。
人の手が加わった事により見た目は変化しますが、サファイア・ルビー等の加熱処理や、エメラルドの含浸処理は、殆どの石に施されている事と、本来の魅力を引き出す事が目的という事で、現在ではさほど気にする事の無い一般的な処理となっています。
いくら処理をして美しくすると言っても、傷だらけの価値のない石を処理しても美しくなりません。もともと透明度が高く、美しい石を処理しないことには始まりません。エメラルドのオイル処理の歴史は古代からあったと言われています。
◆トリートメント
科学的な操作で自然界では有り得ない変化を宝石に及ばす人工処理方法を言います。
天然宝石の性質に関係なく、人工処理を施し美しさを変えようとすることです。
簡単に言うと、石に色を塗ったり、穴にプラスチックを充填したりと、天然宝石として容認出来ない処理を施すことをいいます。
具体的にはエメラルドに有色オイルを含浸させて、本来もっている性質に関係なく色を変化させたり、色の薄いサファイアを合成配分された着色剤(チタンと鉄)の粉末と一緒に加熱処理して色を濃くする処理(拡散処理)や、染料を用いてひすいを染色する処理などがトリートメントと見なされています。
これらの処理石は、定義上、エンハンスメントと混同されることはありません。鑑別書にはそれぞれ、処理エメラルド、処理サファイア、染色ひすいと明記され、天然石とははっきり区別されます。
※一言で例えるならば、エンハンスメントは「化粧」で、トリートメントは「美容整形」と考えると分かりやすいと思います!
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