第22回  グラハム クロノファイターとソードフイッシュ

一度みたら絶対忘れられなくなる時計があります。 グラハム クロノファイターはその代表格といっても過言ではありません。 クロノグラフの発明者として英国が誇る、18世紀の時計師 ジョージ・グラハムの名前を冠した「グラハム」のブランドが登場したのが1995年、そして日本に上陸したのが2002年です。このグラハムの代表モデルであるクロノファイターは、左リューズ、大型のクロノ操作レバーを装備した他に類を見ないデザインにより、圧倒的な存在感を持ち、一躍人気モデルとなりました。 このクロノファイターの左リューズと大型クロノ操作レバーは、イギリス空軍のパイロットの提案より生れました。高い高度で飛行中に手袋をしたまま、時間の計測ができるように考案されたものでした。
また、右手の親指を使うことは、人間工学的に見て、レバーを瞬時に操作することに適しています。 クロノグラフのスタート、ストップの機能はリューズボタンに組み込まれ、どちらの操作もこのレバー1つで簡単に行えるようになっています。 横2つのスモール積算ダイアルを備えたこのモデルは、視認性も抜群で、ケース素材や文字盤でいくつかのバリエーションがあります。「クロノファイター ナイト オブ ハリケーン」はイギリス空軍の第二次世界大戦時の単発戦闘機、ホーカー・ハリケーンの夜間爆撃機のイメージからデザインされ、文字盤やベゼル、ベルトにカーボン素材を使用し、SSケース250本、YG (イエローゴールド)ケース30本の限定と生産となっています。また、ノルマンディー上陸60周年を記念した「クロノファイターオーバーロード」(オーバーロードはノルマンディー上陸の作戦名)はインダイアルに英国戦闘機スピッツファイアのシンボルマークである赤、青、黄色の3重円をあしらっており、250本限定です。 そして2004年に、クロノファイターを上回るインパクトを持つ時計が、グラハムより発表されました。
なんとこの時計は、左右のクロノグラフ積算計に金属枠付の拡大レンズをつけたものでした。 この拡大レンズは風防ガラスより飛び出した形になっており、まるで魚の目のように見えることからメカジキを意味する「ソードフイッシュ」と名づけられています。 このデザインは、2001年にアイルランド、ダブリンにあるアート&デザインナショナルセンターの若きデザイナー達を対象に国際デザインコンテストを行い、その時優勝したフィリップ・ハミルトン氏のものを使用しています。 このソードフィッシュはクロノファイターとは違い、大型の操作レバーはありませんが、リューズ、プッシュボタンの操作がし易いように配慮されており、右リューズのもの(左腕装着用)左リューズのもの(右腕装着用)の2パターンが用意されています。
また、イギリスの有名なレーシングサーキットであるシルバースト-ンの名前を冠したクロノグラフ「シルバーストーンGMT」など、イギリスと関連の深いモデルを次々と発表しており、今やグラハムはイギリスを代表する時計ブランドの1つになりつつあります。