日常の時計使いのなかで、最もトラブルが多いのが日付合わせです。 30日しかない月もあり、日付を合わせるため1日早送りしなければなりません。日付送り機構は、だいたい夜9時くらいから歯車がかみ合わさりはじめ、朝3時くらいで離れていきます。 その間に日付を早送りすると、針と連動するための歯車を痛めてしまう場合があります。 その結果、日付表示がずれたり、日付送りできなくなったりするトラブルが発生します。これは機械式、クォーツ式を問わず最も多いトラブルです。 そこで、トラブルを起こさない正しい日付および時刻の合わせ方を説明します。ここでの説明は一般的の構造の時計で説明します。(中にはやり方の違う時計もありますので、良く分からない場合は、お買い上げ店にお尋ねください。) 一般的なカレンダー付の時計の場合、リューズは2段引きになっており、1段目が、日付調整、2段目が針調整になっています。 2段目の針調整ではほとんどの時計は、リューズを下に回すと時間が進みます。 リューズを上に回すと時間が戻る方向になりますが、機械に負担をかけるため、極力逆回しはしないでください。カレンダーが日付のみで曜日の無い場合、月末の日付早送りは、リューズを2段目まで引き出し、針を24時間早送りして、日付を1日送ることをお勧めします。 このやり方ならば、カレンダー機構を痛めることなく、いつでも日付を進めることができます。リューズを引き出して、1段目に合わせるのはかなり微妙な感覚が必要になります。 自分では1段目に合わせたつもりでも、中途半端になっていて無理に回すとカレンダー機構を痛めてしまう場合がありますので、2段目まで引き出したほうが確実です。また、1段目に合わせる場合は、一度2段目まで引き出してから、1つ戻すほうが、位置が決まり易いので、なかなか1段目に合わせられない人は試してみてください。 長い間、時計が止まっていて日付が大きくずれてしまった場合は以下のようにしてください。 まず、リューズを2段目まで引き出して、針を進めます。 0時で日付が変わるのを確認し、さらに針を進めて、午前11時くらいに一旦セットします。次に、リューズを1段目に戻して、日付を早送りします。 日付を、目標の日付の1日前にセットして、再びリューズを2段目まで引き出します。さらにリューズを回転させて時間を進め、0時を超えさせて、日付を目標の日付に送り、現在時刻を確認して時間を合わせます。そしてリューズを元の位置に戻して、終わりです。 このようにすれば、カレンダー機構に負担をかけることなく、また針を逆回しすることなく、日付合わせ、時間合わせができます。 |