第5回 時計購入の心得について

皆さんが時計を購入しようと思うのは、どのような時でしょうか?
入学や就職、誕生日や結婚記念日など、新たな生活を始めるときや、なにかの記念にと思う場合が多いと思います。 また、そうした人にプレゼントするということもあるでしょう。
ではどのような時計を選んだらよいのでしょうか?
自分で絶対欲しいと思っているモデルがある場合は簡単ですが、特に欲しいモデルが無い場合や、いくつか候補があって迷っている場合はどのように決めたらよいのでしょうか?
特に機械式時計は高価になりますので、入手してから後悔しないためにも購入の際はあらかじめ慎重に検討したいものです。

まず使用する目的やシュチエーションを考えてタイプを選びましょう。好みや予算に加えて、「どんな服装にあわせるのか?」とか「どんなシーンで使うことが多いか?」「どんな使い方をするのか?」といった点についても考慮するべきでしょう。

腕時計には大まかに分けてドレスタイプ、カジュアルタイプ、スポーツタイプ、ミリタリータイプ、高機能・複雑タイプの5つがあります。

1. ドレスタイプ
スーツスタイルと合わせた際にも違和感の無い、シンプルな機能とエレガントなデザインの時計です。 このほかベゼルや文字盤などにダイアなどの宝石が付いたジュエリータイプもこのカテゴリーに含まれます。代表格としては、カルティエ、ブルガリ等の宝飾系ブランドがあげられます。

2. カジュアルタイプ
カジュアルファッションの台頭にともない、あるいはメンズブランドやデザイナーズブランドの時計界への積極的参入にともない、近年、人気が高まりつつあるジャンルです。 ポップ系、アールデコ系、未来派系、キャラクター系など多彩なデザイン、ブランドがあります。 低価格のものからあり、お好み次第です。

3. スポーツタイプ
若い層を中心に最も人気のあるタイプです。 陸上競技やカーレース用などに開発されたクロノグラフと、潜水用のダイバーズがポピュラーですが、他にサッカー用、ヨットレース用(レガッタウォッチ)、アウトドア用など様々なタイプがあります。 いずれも高い防水性と耐久性、スポーティーな外観が共通します。 代表格はロレックスのサブマリーナやデイトナ、オメガのスピードマスター、シーマスター等ですが、これらはスーツスタイルにも違和感なく溶け込み、人気があります。

4. ミリタリータイプ
軍用時計とは各国の軍が規定する仕様をもとに製作され納入された時計を指します。最近は、特に軍から依頼されたわけではなくても同様のデザイン、機能を持たせた時計も販売されるようになってきました。シンプルな機能、高防水性、高堅牢性、高視認性が特徴です。パイロットウォッチもこの分野に含まれ、ジン、ルミノックス、ブライトリング等が代表格です。

5. 高機能・複雑タイプ
上記4つのタイプに当てはまらない、もしくはその特徴を複数兼ね備えているタイプです。前回とりあげたグランドコンプリケーションや、レトログラード(針の往復で時刻を表す機構)、ジャンピングアワー(時刻を瞬時に変わるデジタル表示で表す機構。 機械式では分を回転する針で、時をデジタルで表す方式が多い)等がこのタイプになります。他のタイプに比べて高額なものが多く、いわゆるマニア向けの時計になります。代表格はパテックフィリップ、ユリス・ナルダン、IWC等です。

以上の特徴を考慮して、タイプを選んでいただくのも時計選びの楽しみだと思います。
たとえば、オンタイムで多用したいと考えるのであれば、あまり派手でないドレスタイプがベストです。重要な会議や冠婚葬祭等、しかるべきシーンでも違和感なく使えます。さらにカジュアルでも使用したいと思うのであれば、一押しはロレックスのエクスプローラーⅠです。 タキシードにジーンズ、さらに登山服にも合う時計なんてなかなか無いですよ!